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ガイア・サプリメントの国ネパール


エッセイに関係する映像です

 「ガイア・サプリメントの国とは…」

 (人生観が変わった)という言葉は、日常生活ではあまり多用しないだろう。しかし、ヒマラヤにあたる朝陽の光景を目の当たりにした時、世代や国籍を問わず多くの人の口からこの言葉が洩れるのはなぜなのだろうか?そのヒマラヤの大自然が織り成す朝陽のドラマは、ものの10分程度のものなのだが…。

 ネパールという国は、ほんとうに不思議な国である。その不思議の国ネパールヘの私の渡航回数が1 0 0回に近づいてきた。それでも飽きることがない。行くたび毎に、この土地の放つエネルギーによって充電してくることができる。まさにそのエネルギーは、地球(ガイア)が秘めている、人間の心身への効果ある栄養補助剤(サプリメント)ではないかと感じている。古来より、人間は文明を進歩させることで、過酷な自然から距離をとり始め、安楽に暮らせるようになった。それは、同時に人生から「手ごたえ感」という感覚を奪い取っていく過程でもあった。いつもどこかに不足感を覚えながら、ぼんやりとした曖昧で不機嫌な空気が漂う日常を過ごしている。

「禊」の場としてのヒマラヤ

 とある若い女性芸術家の言葉を紹介しよう。『山を歩いていると、心の棘がぽろりと落ちた、と感じる瞬間がある。その瞬間、日々の生活の中で積もっていた圧迫感や苛立ちから解放され、心が息を吹き返す。そう、私にとって山は「禊(みそぎ)」の場でもあるのだ。「五体と五感をフルに使って楽しめる」というのも山の大きな魅力のひとつだろう。』 山歩きの魅力をこの芸術家は表現しているのだが、この「禊」の場が決定的に現代社会においては不足しているのではないだろうか。身も心も浄化され、なにか「大いなるもの」に抱かれた、満ち足りた気持ち…。「禊」の場で得られるのは、このような至福のひと時ではないだろうかと思う。

 ヒマラヤにあたる朝陽が織り成す、一瞬の自然のドラマを見終わった時に、人々の口から洩れる「人生観が変わった」という言葉は、「禊」の場で体得した至福感から発せられていたのではないだろうか。私もヒマラヤ山中で幾度もこの「至福感」を体感してきた。その至福感は、私の身体に潜在している「自己治癒力や自然治癒力」をあるべき姿へと導いてくれる。

「未病を防ぐ処方箋」

 2007年度の自殺者数は、減少することなく3万人の大台を記録したという。心の病に悩む人や生活習慣病に苦しむ人も多い昨今である。自分の満足感というものを、絶えず他人と比較することで確認しようとする生活は、エンドマークのない追跡劇を演ずることになる。追跡の先にあるのは、「手ごたえの無い幸福感」。そこでは、おおいなるモノに抱かれる極上の至福感を味わうことはできない。味わえるのは、他人への嘲笑と自分へのエクスキューズくらいである。問題は、これらの味が人間の心身や社会に与える「病の連鎖」を構成してゆくことである。「未病を防ぐ」とは、東洋医学の大きな柱でもある。自己治癒力を高め、疾病に罹患しないような体質改善をおこなうことが、「未病を防ぐ」ことに繋がる。

 ヒマラヤにあたる朝陽のドラマのみならず、故郷の小さな里山で出会う一瞬の自然が放つ輝きからも、私達は「なにが大切なものか」ということに気づかされることがある。山や自然を愛すると自称する者たちは、自然からの恩恵を社会の未病を防ぐための処方箋として、自分たちの住む社会に還元してゆくことが問われているのではないだろうか。

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